サーバー用のLinuxにはCentOSよりもUbuntuの方が良いか?
Linuxには、さまざまなディストリビューションがあり、選択肢が豊富です。
普段、サーバー用のLinuxにはCentOS(RedHat系)を使っています。
CentOS(セントオーエス)は、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)との完全互換を目指したフリーのLinuxディストリビューションである。
CentOSを選んでいる理由は特になくて、「VPSのデフォルトOSとして推奨されていたから」程度ですw
一方、デスクトップ用のLinuxは、Ubuntu(Debian系)を使っています。
Ubuntu(ウブントゥ)はDebian GNU/Linuxをベースとしたオペレーティングシステム (OS) である。
デスクトップOSとして利用される事が多いLinuxディストリビューションである。
日本と海外のLinuxシェアの違い
サーバー用のLinuxは、日本国内ではCentOSが人気ですが、海外ではUbuntuの方が多く使われているそうです。
(参考)Linuxディストリビューション使用率の統計情報
25 Nov 2018
Ubuntu 38.0%
Debian 22.9%
CentOS 17.9%
Gentoo 2.5%
Red Hat 2.4%
Fedora 0.6%
SuSE 0.4%
Scientific Linux 0.1%
Turbolinux <0.1%
https://thecloudmarket.com/stats#/by_platform_definition
EC2 Statistics
サーバー用途のLinuxは、ざっくりと
というかんじみたいです。
なぜ海外ではUbuntuが人気なのか?
数字だけ見ても「なぜ海外ではUbuntuが人気なのか?」という理由が分かりません。
とりあえず、CentOSとUbuntuを比較している記事を検索してみました。
サーバー Ubuntu CentOS 比較 - Google 検索
結論から言うと、CentOSもUbuntuもLinuxなので、基本的な機能に大差はないようです。
では、何か違うのでしょうか?
両OSの顕著な違いは、
- LTS(Long Term Support 長期サポート版)の年数と、
- 配布されているパッケージソフトの数
でした。
OS | LTSサポート年数 | パッケージ数 |
---|---|---|
CentOS | 10年(長い) | 20000(少ない) |
Ubuntu | 5年(短い) | 47000(多い) |
※Ubuntu 18.04LTSからはサポート期間が10年に延長されました。
https://codezine.jp/article/detail/10911
利用可能なソフトウェアパッケージが多いのも魅力的です。
CentOSのパッケージ数が約20000(EPELリポジトリ含む)に対して、Ubuntuは約47000のパッケージを利用できます。
これらの相違点を踏まえて、CentOSとUbuntuのメリットとデメリットを検討してみました。
CentOSのメリットとデメリット
CentOS 7で作るネットワークサーバ構築ガイド 1804対応 第2版 (Network Server Construction Guide S)
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CentOSのメリット
- LTSの期間が10年と長い。企業など同じOSを使いっ放しにする場合に便利。
- Red Hat社のRed Hat Enterprise Linuxとほぼ同じOSを無料で使える。(全く同じではない)
- Red Hat社はIBMに買収されたので、顧客企業での利用数が増えるかも?
CentOSのデメリット
- パッケージ管理ツール(rpm)でインストールできるビルド済のパッケージソフト数が20000個と少ない。
- CentOSのリーダー開発者が失踪して、一時リリース不能に陥った。(現在はRed Hatの支援で改善)
- Ubunutuと比べて更新が遅い。RHELからCentOSに反映されるまでにタイムラグが発生する。
Ubuntuのメリットとデメリット
Ubuntuのメリット
- パッケージ管理ツール(apt)でインストールできるビルド済のパッケージソフト数が47000個と多い。
- カノニカル社が直接管理しているUbuntuは、単なるDebianの後追いではなく、更新のタイムラグがない。
- デスクトップ版のUbuntuを使ってる人なら、サーバー版のUbuntuもシームレスに使えて、違和感がない。
- MicrosoftがWindowsにUbuntuを取り込んでいる。他のOSと親和性が高い。
- 最近流行りのAI関係でパッケージが多い。
UbuntuでのGPUディープラーニング環境の構築【Ubuntu 16.04 LTS対応】 - Deep Insider
- OpenStackなど、Ubuntu向けに作られていて、CentOSにはないソフトが多数ある。
Ubuntuのデメリット
- LTSの期間が5年と短い。企業など同じOSを使いっ放しにする場合に不便。
※Ubuntu 18.04LTSからはサポート期間が10年に延長されました。
メリットとデメリットの数が違いますが、たまたま今思いついたのがこんなものなので、さらに調査すればもっと出てくると思います。
個人的には、CentOSとUbuntuには大差がないような気がするので、一概に甲乙をつけがたいです。
UbuntuでWebサーバーを構築したとき、ファイヤーウォールの設定が分かりやすかったという良い印象があります。
まとめ
- Webサーバーなど一般的な使い方なら、CentOSでもUbuntuでも、できることはほぼ同じ。(大差ない)
- CentOSのメリットは、LTSの期間が長い。
- Ubuntuのメリットは、提供されているパッケージソフトが多い。
CentOSで不便を感じていないなら、CentOSのままでもOK?
(逆に言えば、Ubuntuで困ることもなければ、UbuntuでもOK?)
将来、AI関係の開発をやってみるとか、OpenStackを使いたいとか、Ubuntuのソフトを使いたくなったら、Ubuntuをメインにしてもいいかもしれませんね?
(今後、AIはもっと普及していきそうな気がします。)
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